薬局薬剤師の勉強日誌

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タケキャブの特徴(従来のPPIとの比較)

 

タケキャブ(ボノプラザン)は、プロトンポンプ阻害剤(PPI)の一種だが、従来のPPIとは阻害機序が異なり、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれている。

 

*薬理作用

従来のPPIは、酸により胃壁細胞内で活性型のスルフィンアミド型に変換されてプロトンポンプのシステイン残基とジスルフィド結合することで不可逆的に阻害し、効果発現後は酸により不活化される。

一方、P-CABはカリウムイオンに競合的に作用することで、可逆的にプロトンポンプを阻害する。

酸による活性化を必要としないため、効果発現が早い。また、塩基性が高く、酸に安定であることから、胃壁細胞の分泌細管に高濃度に蓄積し、長時間残存するためより持続的な酸分泌抑制作用を有する。

 

*効能・効果

適応は以下の通り。従来のPPIの適応疾患の一部にのみ適応しているが、臨床上はPPI適応患者には、ほぼ全ての場合において適応できると考えられる。

 

①胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

②下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
 

*代謝

従来のPPIは主にCYP3A4とCYP2C19により代謝されるが、タケキャブは主にCYP3A4のみで代謝される。  

 ⇒ 従来のPPIで問題となる、CYP2C19遺伝子多型による効果への影響は少ない。

 

*治療効果

ピロリ菌の一次除菌率において、タケプロンが75.9%なのに対し、タケキャブは92.6%、逆流性食道炎の治癒率(8週間服用)において、タケプロンが95.5%なのに対し、タケキャブは99.0%と高い治療効果が確認されている。

低用量アスピリンによる消化管潰瘍の再発抑制効果は、1年以上の比較でタケプロンよりも優勢。

胃潰瘍の治癒率はタケプロンと同程度。一方、十二指腸潰瘍の治癒率はタケプロンよりやや劣勢。

 

*副作用など

便秘、下痢、発疹、AST上昇、ALT上昇 など

従来のPPIよりも強力に胃酸分泌を抑制するため、高ガストリン血症、偽膜性大腸炎、鉄やカルシウム、ビタミンB12の吸収低下などのリスクは従来のPPIよりも高いと考えられる。

 

*相互作用

主にCYP3A4により代謝されるため、CYP3A4を阻害・誘導する薬剤との併用に注意。

従来のPPIと同様、アダザナビル塩酸塩、リルピビリン塩酸塩の吸収を阻害し血中濃度を低下させるため、併用禁忌。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。