薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです

ヒルドイドの鎮痛効果

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は代表的な保湿剤だが、しばしば鎮痛作用を期待して処方されることがある。 中でもヒルドイドゲルは、保湿として使用されるのは稀で、疼痛や炎症に対しての処方がメインとなっている。 ヒルドイドゲルの適応症 血栓性静脈炎、…

NSAIDsによる自由水クリアランスの低下

NSAIDsの服用により電解質異常が引き起こされることがある。 その理由としては、腎機能の低下の他に自由水クリアランスの低下が示唆されている。 *自由水クリアランスとは 体内における自由水とは、細胞外液中に存在する自由に移動できる水のことで、腎臓に…

βブロッカーのISA

βブロッカーには、β受容体遮断作用と同時に、β受容体を刺激する作用を併せ持つものがあり、そのような作用をISA(内因性交感神経刺激作用:Intrinsic Sympathomimetic Activity)と呼ぶ。 ISAを持つβブロッカーは、交感神経が興奮している時にはβ受容体に抑…

ニューキノロン系によるアキレス腱断裂リスク

ニューキノロン系抗菌薬の服用により、アキレス腱の断裂や網膜剥離といった結合組織障害のリスクが高くなることが指摘されている。 ニューキノロン系抗菌薬を投与した患者では、アキレス腱障害を発症するリスクが約4倍、腱断裂を起こすリスクは約2倍に増加す…

ビソノテープの特徴

ビソノテープは、経皮吸収型の選択的β1ブロッカー。 以下、まとめ。 *一般名 ビソプロロール フマル酸塩 *適応症 ・本態性高血圧症(軽症〜中等度) ・頻脈性心房細動 *用法・用量 本態性高血圧症(軽症〜中等症)通常、成人にはビソプロロールとして8mg…

ピロリ除菌後の逆流性食道炎

ピロリ菌の除菌療法の後に、逆流性食道炎を発症することがある。 *発症メカニズム ピロリ菌感染によって低下していた胃酸の分泌が、除菌成功後に通常レベルまで改善する場合に、一時的に発症すると考えられている。 *どれぐらいの頻度か 「H.pylori 感染の…

メリスロンとセファドール

抗めまい薬として処方頻度の高い、メリスロンとセファドールの違いについて、以下まとめ。 *有効成分 メリスロン・・・メシル酸ベタヒスチン セファドール・・・塩酸ジフェニドール *剤型 メリスロン・・・錠 のみ セファドール・・・錠 / 顆粒 *作用機序…

モビコールの特徴

モビコール配合内用剤は、慢性便秘症を改善する浸透圧性下剤。 以下、まとめ。 *一般名 ・マクロゴール400・塩化ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・塩化カリウム *適応症 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く) *用法・用量 本剤は、水で溶解して経口…

ペニシリンアレルギーに対するピロリ除菌

通常のピロリ菌除菌レジメンには、一次除菌、二次除菌のいずれにおいても、アモキシシリンが含まれているため、ペニシリンアレルギー患者では使用できない。 ペニシリンアレルギー患者に対しては、以下の処方で治療する。 ペニシリンアレルギー患者に対する…

認知症の周辺症状(BPSD)

認知症は、いくつかの症状が出現する症候群を呈し、認知機能障害に起因する中核症状と、それら以外の行動症状・心理症状である周辺症状に分類される。 認知症の周辺症状は、BPSD(Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)とも呼ばれ、患者周囲の…

メリスロンの認知機能への効果

ベタヒスチン(メリスロン)は、通常めまいの改善のために使用されるが、認知症治療の補助療法として投与されることがある。 大規模な臨床研究はまだされていないが、ベタヒスチンによる記憶回復効果が期待されている。 *考えられるメカニズム ベタヒスチン…

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液は、どちらもチモロールマレイン酸塩を有効成分とする緑内障治療薬。 どちらも1日1回の使用で良いように、点眼後に薬液がゲル化することで効果が持続するように開発されたが、ゲル化する機構に違いがある。 他の点眼…

イノラス配合経腸用液の特徴

イノラス配合経腸用液の特徴と注意点について、以下まとめ。 *特徴 ・ラコールNF配合と同じアルミパウチ包装であるため、比較的持ち運びやすい。 ・フレーバーは、ヨーグルトとりんごの2種類(高齢になると甘みを感じにくくなる傾向があるため、甘さは控え…

ステロイド外用薬とレスタミンコーワクリームの混合

ベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV)のような17位に1つだけエステル基をもつステロイド外用薬は、レスタミンコーワクリームに代表されるpHの高い外用薬と混合すると、加水分解を受けることにより効果が減弱してしまう。 リンデロンVクリームのインタ…

円形脱毛症に対するステロイド

円形脱毛症を起こしている皮膚では、毛根周囲に免疫細胞が多く存在することが確認されていることから、円形脱毛症は自己免疫疾患の一つと考えられている。 原因は不明だが、Tリンパ球が成長期の毛根を攻撃することで発症することが示唆されている。 *ステロ…

P糖タンパク阻害による相互作用

薬物相互作用を考える際、重要な要素の一つにP糖タンパクがある。 P糖タンパクとは、消化管、腎臓、肝臓、脳血液関門などに存在するABCトランスポーターの1つ。 異物を細胞外へ排除する働きを持ち、一部の薬剤がP糖タンパクにより排出される。 また、P糖タン…

グーフィスの特徴

グーフィスは、慢性便秘症の治療薬。 他の下剤にはない、唯一の作用機序により便秘改善効果を発揮する。 *一般名 エロビキシバット水和物 *特徴 ・世界初の胆汁酸トランスポーター阻害薬。 ・回腸末端部の上皮細胞に存在する、胆汁酸トランスポーター(IBA…

リンゼスとアミティーザの違いと使い分け

リンゼス(リナクロチド)とアミティーザ(ルビプロストン)は、慢性便秘症に適応を持つ新規機序薬。 作用機序は異なるが、どちらも上皮機能変容薬に分類される。 上皮機能変容薬とは、小腸において腸液の分泌を促進させることで排便を促す便秘改善薬。慢性…

しゃっくりに効く薬

吃逆(しゃっくり/きつぎゃく)とは、繰り返す不随意な横隔膜の痙攣により突然生じる、声門閉鎖状態。 急激な吸気と同時に突然の声門閉鎖が起こるため、特徴的な発音を伴う。 1ヶ月以上継続する難治性の吃逆に対して、薬物治療が行われることがある。 *難…

ロコアテープの特徴

ロコアテープは、経皮吸収型の非ステロイド性鎮痛消炎剤。 他の貼付剤よりも有効成分の吸収率が高いため、使用には注意が必要。 以下、まとめ。 *一般名 エスフルルビプロフェン / ハッカ油 *特徴 ・有効成分のエスフルルビプロフェンは、フルルブプロフ…

乾癬の種類

乾癬とは、皮膚の表皮が炎症によって角化を起こしている状態。 遺伝的要因と食生活、感染症、ストレスなどの環境的要因が引き金になり、免疫系の異常により発症すると考えられている。 約半数の患者で痒みがみられるが、痒みの程度には個人差がある。 症状が…

家族性高コレステロール血症とは

家族性高コレステロール血症(FH)とは、LDL受容体やその関連タンパクである、アポリポタンパクB-100(アポB-100)、PCSK9の遺伝子変異により生じる高LDLコレステロール血症。 遺伝子異変が、直接生命に重篤な状態をもたらすことはないが、高LDLコレステロー…

ケトプロフェン貼付剤による光接触皮膚炎

モーラスやミルタックスなどのケトプロフェン貼付剤において、頻度の高い副作用として光接触皮膚炎が挙げられる。 ケトプロフェン貼付剤による光接触皮膚炎は、薬剤を貼付した部位と、紫外線の暴露が重なった部位にのみ現れ、衣服などで遮光された部位には生…

[新薬]ニュベクオ錠

*一般名 ダロルタミド *規格 300mg のみ *適応症 遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌 *用法・用量 通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 *特徴 ・イクスタンジ(エンザルタ…

[新薬]ノクサフィル錠

*一般名 ポサコナゾール *規格 100mg のみ *適応症 ・造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防・下記の真菌症の治療フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫 *…

[新薬]コレクチム軟膏

*一般名 デルゴシチニブ *規格 0.5%軟膏 のみ *適応症 アトピー性皮膚炎 *用法・用量 通常、成人には1日2回、適量を患部に塗布する。なお、1回あたりの塗布量は5gまでとする。 *特徴 ・初のアトピー性皮膚炎に対する外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬。…

[新薬]リンヴォック錠

*一般名 ウパダシチニブ水和物 *規格 7.5mg/15mg *適応症 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) *用法・用量 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。 なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投…

[新薬]ユリス錠

*一般名 ドチヌラド *適応症 痛風、高尿酸血症 *用法・用量 通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。 その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。 維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜…

[新薬]デエビゴ錠

*一般名 レンボレキサント *規格 2.5mg / 5mg / 10mg *適応症 不眠症 *用法・用量 通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。 *特徴 ・ベルソムラ(…

牛乳アレルギーに禁忌・慎重投与の薬

*牛乳アレルギーに禁忌の薬 以下の薬剤では、牛乳由来の成分やカゼインが添加されているため、牛乳アレルギーの患者には禁忌。 ・アミノレバンEN配合散・イノラス配合経腸用液・エネーボ配合経腸用液・エンシュア・H・エンシュア・リキッド・ラコールNF配合…