薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです

副作用

小柴胡湯による間質性肺炎

間質性肺炎は、肺を構成する肺胞壁や周囲に炎症が起こる病態であり、進行すると肺線維症へ移行する。薬剤性肺障害の中で最も頻度が高い。 主な症状は息切れ、空咳、発熱など。 胸部画像所見では約6割の症例において、すりガラス状の陰影が確認できる。 *小…

薬剤性難聴

薬剤性難聴とは、薬剤が原因として引き起こされる難聴。 多くは内耳の感覚細胞(有毛細胞)の障害が原因とされている。 *原因薬剤 ・アミノグリコシド系抗菌薬・白金製剤・サリチル酸製剤・ループ系利尿剤 など *特徴 難聴は高音域から始まるため、電子音…

ヒドロクロロチアジドの皮膚癌リスク

ヒドロクロロチアジド含有薬剤の添付文書には、発癌リスクの増加について以下のように記載されている。 海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。 *…

フラベリックによる聴覚異常

フラベリック(ベンプロペリン リン酸塩)は、中枢性非麻薬性の鎮咳薬。 特徴的な副作用に聴覚異常がある。 *聴覚異常について フラベリックで報告されている聴覚異常は、“全ての音が半音低く聞こえる”というもの。 聴覚異常が起こる機序は明確になっていな…

インペアード・パフォーマンスとは

インペアード・パフォーマンスとは、抗ヒスタミン薬の投与によって集中力や判断力、作業能力などが低下してしまうこと。 抗ヒスタミン薬による眠気とは別の意味で定義されており、眠気が現れない場合でもインペアード・パフォーマンスがみられることがある。…

梅毒治療中の発熱(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応)

梅毒の標準治療であるアモキシシリンの投与により発熱や頭痛、筋肉痛などの症状がみられることがある。 これをヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応という。 *ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応とは 梅毒の治療に抗菌薬を投与した際に、みられる生体反応の…

フォルテオ皮下注による起立性低血圧

フォルテオ皮下注は、テリパラチド(遺伝子組換え)を有効成分とする骨粗鬆症治療薬。 骨吸収を抑制するビスホスホネート製剤とは異なり、骨新生を促進する作用を持つ。 注意すべき副作用として、一過性の急激な血圧低下、起立性低血圧、めまい、意識消失な…

喘息治療薬と低カリウム血症

気管支喘息治療薬のいくつかには、血清カリウム値を低下させるものがあり、それらを併用している場合には低カリウム血症に注意が必要。 以下、低カリウム血症を引き起こす喘息治療薬。 *β2刺激薬 β2刺激作用によりアデニル酸シクラーゼが活性化され、生成さ…

タムスロシンの白内障手術への影響

前立腺肥大症の治療薬、タムスロシン(ハルナール)は白内障手術後の有害事象のリスクを高めることが示唆されている。 α1a受容体は虹彩散大筋にも存在し、タムスロシンが作用すると術中の瞳孔散大を抑制し、縮瞳型症候群の一種であるIntraoperative Floppy I…

甘草は1日何gまで許容できるか

甘草1g中に含まれるグリチルリチンは約40mg。 1日の上限値はグリチルリチン300mgとされているため、甘草に換算すると7.5gまで。 医療用漢方製剤148品目の中で甘草が含まれているものは109品目もあり、複数の漢方製剤を服用している患者では、偽アルドステロ…

偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血性ミオパチーなどの原発性アルドステロン症様の症状・所見を示すが、血漿アルドステロン濃度は低下を示す症候群。 筋肉低下の進行により歩行困難や起立不能となり、入院す…

カルボシステインの時間帯依存性薬疹

カルボシステイン(ムコダイン)服用後の固定薬疹は、夜間から早朝にかけて出ることが多い。 これは、カルボシステインの代謝では、時間帯によって代謝産物が異なることが関係している。 *時間帯による代謝の違い 固定薬疹の原因は、代謝物の2,2’-チオジグ…

アモバンによる苦味

ゾピクロン(アモバン)を服用すると苦味を感じることがある。 詳しい原因は判明していないが、味覚の異常ではなく、唾液そのものが苦くなると考えられている。 苦味は翌朝や日中以降も継続することがあり、食事した時の味がおかしくなることがあるため、料…

アセトアミノフェン中毒

アセトアミノフェンの大部分は、肝臓でグルクロン酸抱合や硫酸抱合を受けて代謝されるが、一部はCYP450代謝経路に入り、毒性の持つN-アセチル-p-べンゾキノンイミンが生成される。 通常量の服用であればこの代謝物はグルタチオン抱合により無毒化されるが、…

喘息患者に対する解熱鎮痛剤の選択

気管支喘息の既往がある場合は、解熱鎮痛剤の選択に注意が必要。 解熱鎮痛剤として主に使用されるNSAIDsとアセトアミノフェンは、一部の気管支喘息患者において、鼻水・鼻づまり、吐き気、下痢などを伴う激しい喘息発作を引き起こすことがあるため。このNSAI…

Triple Whammy(三段攻撃)による薬剤性腎障害

NSAIDs、RA系阻害薬、利尿剤はそれぞれ別の機序により糸球体濾過量を低下させるため、併用することで薬剤性腎障害のリスクが高いことから、これら3剤の組み合わせは「Triple Whammy(三段攻撃)」と呼ばれている。 特に腎血流量が低下している時に起こりやす…

小腸におけるNSAIDs起因性粘膜障害

最近の研究では、小腸潰瘍についての以下のような報告がある。 ・小腸潰瘍が抗菌薬の投与で抑制される。・小腸に細菌が存在しない動物では小腸潰瘍が発症しない。・胃酸の殺菌作用により腸内細菌の少ない小腸口側よりも、嫌気性菌が増加する肛門側で多く発症…

アカシジアとジスキネジア

*症状 アカシジア・・・じっとしていられない、座ったままでいられない、下肢のムズムズ感、足踏みなどの多動 ⇒ 我慢できずに体を動かしてしまう、不安・焦燥感などの精神症状を伴うのが特徴。 ジスキネジア・・・顔を歪める、舌を突き出す、唇をすぼめる、…

メトホルミンによる乳酸アシドーシス②

メトホルミンにより、乳酸アシドーシスのリスクが高い患者(禁忌患者)とその理由について以下まとめ。 *重度の腎機能障害(eGFR 30 mL/min/1.73 m2未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む) ⇒ メトホルミンの大部分が腎排泄のため。 *重度の肝機能…

メトホルミンによる乳酸アシドーシス

メトホルミンによる乳酸アシドーシスの発症頻度は、年間で10万人に数人。 *乳酸アシドーシス発症機序 メトホルミンは、乳酸やアミノ酸からの糖新生を抑制して血糖値低下作用をもたらすため、乳酸の蓄積を促進する。 通常は乳酸が蓄積すると、乳酸の代謝が亢…