薬局薬剤師の勉強日誌

日々の勉強を個人的にまとめたブログです

ニューキノロン系によるアキレス腱断裂リスク

 

ニューキノロン系抗菌薬の服用により、アキレス腱の断裂や網膜剥離といった結合組織障害のリスクが高くなることが指摘されている。

ニューキノロン系抗菌薬を投与した患者では、アキレス腱障害を発症するリスクが約4倍、腱断裂を起こすリスクは約2倍に増加すると推測されている。

いずれも、服用開始から比較的早期に発症することが多いとされる。

 

*メカニズム

アキレス腱は約7割がコラーゲンからできており、その約9割はⅠ型コラーゲンで、約1割はⅢ型コラーゲンで構成されている。

ニューキノロン系抗菌薬は、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなどの細胞外マトリックスを分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の発現を増強することが確認されており、ニューキノロン系抗菌薬の投与でMMPsによるコラーゲン線維の変性が促進され、腱断裂や網膜剥離に至ると考えられている。

 

*大動脈剥離のリスクも

大動脈壁を構成するコラーゲンもⅠ型とⅢ型が主体であるため、同じメカニズムで大動脈剥離や大動脈瘤破裂などの大動脈障害のリスクを高める。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

ビソノテープの特徴

 

ビソノテープは、経皮吸収型の選択的β1ブロッカー。

以下、まとめ。

 

*一般名

ビソプロロール フマル酸塩

 

*適応症

・本態性高血圧症(軽症〜中等度)

・頻脈性心房細動

 

*用法・用量

本態性高血圧症(軽症〜中等症)
通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。 
なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。

 

頻脈性心房細動
通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。 
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgとする。

 

*特徴

・有効成分はメインテートと同一。

・内因性交感刺激作用(ISA)を有さない選択的β1遮断薬。

・マトリックス型の経皮吸収剤であるため、切断して貼付可能(剥がれやすくなるため上からテープ等で補強する)。

・安定的に血中濃度が維持されることで、24時間の血圧コントロールが可能。

・内服からの切り替えの目安として、ビソプロロール2.5mgの内服に対してビソノテープ4mgが相当する。

・貼付したまま入浴可能。

・有効成分は光に不安定であるため、使用直前に個包装を開封する。

 

*テープ剤としてのメリット

・嚥下困難者に対して他者による投与が簡単。

・コンプライアンスの可視化がしやすい。

・消化器系の副作用が少ない。

・副作用出現時には、剥がすことで投与の中止が即座にできる。

 

 

*注意点

・禁忌項目は、内服薬と同一。

・剥がれないように、貼付した後にテープ全体を手のひらで押さえつける。

・剥がれて再貼付できない場合は、追加貼付は行わずに次回投与時刻に新しいものを貼付する。

・かぶれなどを防止するために、毎回貼付部位を変更する。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

ピロリ除菌後の逆流性食道炎

 

ピロリ菌の除菌療法の後に、逆流性食道炎を発症することがある。

 

*発症メカニズム

ピロリ菌感染によって低下していた胃酸の分泌が、除菌成功後に通常レベルまで改善する場合に、一時的に発症すると考えられている。

 

*どれぐらいの頻度か

H.pylori 感染の診断と治療のガイドライン」によると、除菌による逆流性食道炎の発症増加や症状の増悪は極めて少ないとされている。

発症した場合でも多くは軽症か無症状であり、治療が必要な場合は少ない。

しかし、胃体部胃炎、食道裂孔ヘルニアを合併した場合では頻度が上がり、重症となることがある。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

メリスロンとセファドール

 

抗めまい薬として処方頻度の高い、メリスロンとセファドールの違いについて、以下まとめ。

 

*有効成分

メリスロン・・・メシル酸ベタヒスチン

セファドール・・・塩酸ジフェニドール

 

*剤型

メリスロン・・・錠 のみ

セファドール・・・錠 / 顆粒

 

*作用機序

メリスロン
内耳の微小血流量増加と内リンパ水腫の除去。また、脳循環を改善することも、めまい感の軽減に寄与していると考えられる。

セファドール
血流が滞っている側の椎骨脳底動脈の血管を弛緩させ、左右の内耳の血流量を均等にする。また、前庭神経の異常な興奮を改善する。

 

*注意する疾患

メリスロン
ヒスタミン様作用があるため、消化器潰瘍や気管支喘息の症状を悪化させる可能性がある(禁忌ではない)。

セファドール
抗コリン作用があるため、緑内障や前立腺肥大症の症状を悪化させる可能性がある(禁忌ではない)。

 

*どちらが優れているのか?

メリスロンとセファドールで、どちらが治療効果が高いかは検証されていない。そもそも作用機序が異なるため、単純な比較はできない。

推察されるめまいの原因や他の疾患などを考慮して、適する方を選択する。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。

 

モビコールの特徴

 

モビコール配合内用剤は、慢性便秘症を改善する浸透圧性下剤。

以下、まとめ。

 

*一般名

・マクロゴール400
・塩化ナトリウム
・炭酸水素ナトリウム
・塩化カリウム

 

*適応症

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

 

*用法・用量

本剤は、水で溶解して経口投与する。

 

通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。


通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで(1回量として2包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。

 
通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで(1回量として4包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする。

 

*特徴

・主成分のポリエチレングリコールがもたらす浸透圧により、腸管内の水分量が増加し、便の軟化および便容積が増大することで、大腸の蠕動運動を促す。

・腸管内の電解質バランスを維持し、糞中水分の浸透圧を適切なレベルに保持するために、電解質が配合されている。

・ポリエチレングリコールは腸管から吸収されないため、全身性の副作用や薬物相互作用が少ない。

・2歳以上の小児で服用可能。

・水で服用しにくい場合は、オレンジジュース、りんごジュース、緑茶、烏龍茶、麦茶、紅茶に溶解して服用可能(IFに配合変化試験の記載あり)。

 

*注意点

・他の便秘症治療薬(酸化マグネシウムなど)で効果不十分な場合に使用する。

・主な副作用は、下痢、腹痛。

・必ず水やジュースに溶解して服用する。

・下痢や軟便がみられる場合には、減量・中止を行う。

・2歳未満の小児、乳幼児には使用不可。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

ペニシリンアレルギーに対するピロリ除菌

 

通常のピロリ菌除菌レジメンには、一次除菌、二次除菌のいずれにおいても、アモキシシリンが含まれているため、ペニシリンアレルギー患者では使用できない。

 

ペニシリンアレルギー患者に対しては、以下の処方で治療する。

 

ペニシリンアレルギー患者に対するレジメン

クラリスロマイシン(400mg/day) + メトロニダゾール(500mg/day) + PPI

朝・夕食後   7日分

 

クラリスロマイシンの代わりに、シタフロキサシンやミノサイクリンが用いられることがある。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

認知症の周辺症状(BPSD)


認知症は、いくつかの症状が出現する症候群を呈し、認知機能障害に起因する中核症状と、それら以外の行動症状・心理症状である周辺症状に分類される。

認知症の周辺症状は、BPSD(Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)とも呼ばれ、患者周囲の家族や介護者などへの負担が大きいため、周りの人のためにもBPSDを改善する必要がある。

 

*原因と症状

BPSDには個人差があるが、身体的・精神的なストレスなどが原因と考えられている。

症状としては、以下のようなものが挙げられる。

【認知症の周辺症状症状(BPSD)】
・幻覚
・妄想(物取られ妄想が典型的)
・錯覚
・抑うつ
・意欲低下
・無反応
・不安
・焦燥
・徘徊
・多動(同じ行動を繰り返す)
・暴力
・暴言
・せん妄
・不潔行為
・失禁

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。

 

メリスロンの認知機能への効果

 

ベタヒスチン(メリスロン)は、通常めまいの改善のために使用されるが、認知症治療の補助療法として投与されることがある。

大規模な臨床研究はまだされていないが、ベタヒスチンによる記憶回復効果が期待されている。

 

*考えられるメカニズム

ベタヒスチンは、神経線維のヒスタミンH3受容体を遮断することで、神経シナプスでのヒスタミンの放出を促進することが確認されている。

ヒスタミンは、記憶に関与する神経細胞を活性化させ、記憶の回復を促すことが示唆されており、ベタヒスチンの服用により、脳内のヒスタミン濃度が高くなることで記憶回復効果を発揮すると考えられる。

 

*研究報告

2019年に東京大学、北海道大学、京都大学など共同で行われた研究。

男女38名に128枚の写真を見せ、1週間後に同じ写真32枚、類似の写真32枚、新しい写真32枚を見せ、何枚同じ写真を見分けられるかをベタヒスチン投与群とプラセボ投与群で比較検証した。

その結果、ベタヒスチン投与群はプラセボ投与群と比較して正答率が有意に高かった。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液

 

チモプトールXE点眼液とリズモンTG点眼液は、どちらもチモロールマレイン酸塩を有効成分とする緑内障治療薬。

どちらも1日1回の使用で良いように、点眼後に薬液がゲル化することで効果が持続するように開発されたが、ゲル化する機構に違いがある。

他の点眼薬がゲル化機構に影響を与えたり、ゲル化により他の薬剤の吸収を妨げる可能性があるため、他の点眼薬との間隔を10分以上空けて最後に使用する。

 

*チモプトールXEのゲル化機構

ジェランガムが配合されていることで、眼表面で涙液中の陽イオンと反応してゲル化する。

角膜でゲル化するため、霧視が起こりやすい。

 

*リズモンTGのゲル化機構

メチルセルロースが配合されていることで、10℃以下の温度では液性状態(ゾル状態)だが、眼の表面温度でゲル化する。

そのため、使用しない時は、冷所で保管する必要がある。

温度の高い場所で保管してしまった場合は、しばらく冷所に保管しておいて液状になれば使用可能。

結膜でゲル化するため異物感、刺激感が起こりやすい。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

イノラス配合経腸用液の特徴

 

イノラス配合経腸用液の特徴と注意点について、以下まとめ。

 

*特徴

・ラコールNF配合と同じアルミパウチ包装であるため、比較的持ち運びやすい。

・フレーバーは、ヨーグルトとりんごの2種類(高齢になると甘みを感じにくくなる傾向があるため、甘さは控えめで酸味のあるフレーバーを採用)。

・半消化態の経腸栄養剤の中で、1mLあたりのカロリーが1.6 kcalと最も高い。
  ⇒ 少量で効率的にエネルギーを補給できるため、たくさんの量を飲めない患者や水分制限を受けている患者で使いやすい。

・3大栄養素の構成比率がタンパク質16%、脂質29%、糖質55%と他の経腸栄養剤よりもタンパク質が多めに配合されている。

・1日3袋の服用で、「日本人の食事摂取基準」で求められているビタミンおよび微量元素の1日摂取量を満たすことができる。

・微量元素として、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、カルニチン、コリンを含むため、長期投与でもこれらの欠乏症を起こしにくい。

・糖質源として精製白糖は使用せずに、デキストリンのみを使用している。

・ω-3系脂肪酸とω-6系脂肪酸が、1:3の割合で配合されている。

・ω-3系脂肪酸の供給源として、シソ油と魚油を配合している。

 

*注意点

・牛乳アレルギーの患者には禁忌。

・経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食に切り替える。

・半消化態栄養剤の中で最も浸透圧が高いため、浸透圧性の下痢が起こりやすい。

・ビタミンKが配合されているため、ワルファリンの作用を減弱させる。

・水分含有量は75%と他の経腸栄養剤よりも低いため、他剤からの切り替え時には脱水などに注意する。

・開封後は冷蔵庫に保管して、24時間以内に服用する。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。

 

ステロイド外用薬とレスタミンコーワクリームの混合

 

ベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV)のような17位に1つだけエステル基をもつステロイド外用薬は、レスタミンコーワクリームに代表されるpHの高い外用薬と混合すると、加水分解を受けることにより効果が減弱してしまう。

 

リンデロンVクリームのインタビューフォームによると、リンデロンVクリームとレスタミンコーワクリームを1:1で混合し、25℃で保管した場合、ベタメタゾン吉草酸エステルの残存率は1週間後に約70%、4週間後には約14%までに低下するとされている。

 

*17位にエステル基を1つもつステロイド外用薬

・リンデロンV
・リンデロンDP
・マイザー
・デルモベート
・ベトネベート
・ダイアコート
・ジフラール
・フルメタ
・アンテベート
・パンデル
・エクラー
・メサデルム
・ボアラ
・アルメタ
・キンダベート
・ロコイド  など

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

円形脱毛症に対するステロイド

 

円形脱毛症を起こしている皮膚では、毛根周囲に免疫細胞が多く存在することが確認されていることから、円形脱毛症は自己免疫疾患の一つと考えられている。

原因は不明だが、Tリンパ球が成長期の毛根を攻撃することで発症することが示唆されている。

 

*ステロイドによる治療

免疫異常を抑制するためのステロイドの投与は、円形脱毛症診療ガイドラインにおいて推奨されている。

ステロイドの外用が治療の第一選択とされることが多いが、難治例や急速な範囲の拡大がみられる場合には、ステロイドの内服療法や局所注射、点滴静注パルス療法を行うこともある。

 

*ステロイドの使用例

【16歳以上の患者】

脱毛面積が全体の25%未満
 症状進行例・・・ステロイド外用
 症状固定例・・・ステロイド外用および局所注射

脱毛面積が全体の25%以上
 症状進行の有無に関わらず、ステロイド外用、内服および点滴静注パルス療法

 

【15歳以下の患者】

脱毛面積・症状進行の有無に関わらず、ステロイド外用のみ

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

P糖タンパク阻害による相互作用

 

薬物相互作用を考える際、重要な要素の一つにP糖タンパクがある。

 

P糖タンパクとは、消化管、腎臓、肝臓、脳血液関門などに存在するABCトランスポーターの1つ。

異物を細胞外へ排除する働きを持ち、一部の薬剤がP糖タンパクにより排出される。

 

また、P糖タンパクの働きを阻害する薬剤があり、それらとP糖タンパクの基質となる薬剤を併用すると、基質となる薬剤の血中濃度を高め、副作用リスクが高くなる。

脳血液関門や肝臓においてP糖タンパクの阻害が起こると、血中濃度の血中濃度はみられず、組織内濃度が上昇するため、血中濃度の上昇がみられないからといって影響がないとは判断できない。

 

*P糖タンパクの基質となる薬剤

CYP3A4の基質となる薬剤は、P糖タンパクの基質になる場合が多い。

・ジゴキシン
・ダビガトラン エテキシラート
・エドキサバン
・リバーロキサバン
・アリスキレン
・ロペラミド
・セリプロロール
・フェキソフェナジン
・キニジン
・ベラパミル
・タクロリムス
・シクロスポリン
・コルヒチン
・副腎脂質ステロイド
・スタチン系
・抗がん剤
・抗HIV薬  など

 

*P糖タンパクを阻害する薬剤

・キニジン
・アミオダロン
・マクロライド系抗菌薬
・アゾール系抗真菌薬
・ベラパミル
・シクロスポリン
・スピロノラクトン
・トルバブタン
・リトナビル
・ネルフィナビル
・フルボキサミン
・プロパフェノン  など

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

グーフィスの特徴

 

グーフィスは、慢性便秘症の治療薬。

他の下剤にはない、唯一の作用機序により便秘改善効果を発揮する。

 

*一般名

エロビキシバット水和物

 

*特徴

・世界初の胆汁酸トランスポーター阻害薬。

・回腸末端部の上皮細胞に存在する、胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害することで、胆汁酸の再吸収を抑制し、大腸管腔内の胆汁酸量を増加させる。

  ⇒ 胆汁酸による、大腸管腔内への水分分泌促進作用と消化管運動促進作用の2つの作用により、便秘改善効果を発揮する。

 

*注意点

・食事により分泌される胆汁酸の再吸収を抑制するために、食前に服用する。

・腹痛の副作用出現の頻度が高い。

・肝障害患者においては、胆汁酸の分泌量が少ないため、効果が得られにくい。

・ウルソデオキシコール酸などの胆汁酸製剤の再吸収を阻害し、効果を減弱させるため併用注意。

・アルミニウム含有製剤やコレスチラミンなどの、胆汁酸を吸着する薬剤との併用で本剤の効果が弱くなるため併用注意。

・P糖タンパク質阻害作用を持ち、ジゴキシンなどのP糖タンパク質の基質となる薬剤の作用を増強するため併用注意。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。  

 

リンゼスとアミティーザの違いと使い分け

 

リンゼス(リナクロチド)とアミティーザ(ルビプロストン)は、慢性便秘症に適応を持つ新規機序薬。

作用機序は異なるが、どちらも上皮機能変容薬に分類される。

 

上皮機能変容薬とは、小腸において腸液の分泌を促進させることで排便を促す便秘改善薬。慢性便秘症診療ガイドラインでは、浸透圧性下剤と共に「強い推奨」とされている。

 

違いと使い分けについて、以下まとめ。

 

*作用

リンゼス
小腸の管腔表面にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を活性化させ、大腸の機能促進作用や痛覚過敏抑制作用により、排便異常や腹痛などを改善する。

 

アミティーザ
小腸のクロライドチャネルを活性化させ、腸管管腔内へ水分分泌を促進することで排便を促す。

 

*適応症

リンゼス
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
便秘型過敏性腸症候群

 

アミティーザ
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

 

*用法・用量

リンゼス
1回0.5mgを1日1回、食前に服用
※ 下痢を防ぐため食前服用

 

アミティーザ
1回24μgを1日2回、朝・夕食後に服用
※ 悪心を防ぐため食後服用

 

*使い分け

・アミティーザは妊婦に禁忌。また若年女性で悪心が生じやすい。

・リンゼスは、内臓痛覚神経繊維にも作用するため、腹痛や不快感の改善も期待される。

・過敏性腸症候群による便秘の場合は、リンゼスが適する。

・リンゼスは効きすぎる場合があり(便失禁に至ることも)、症状の軽い便秘症や長時間トイレに行けない職業の患者などには不適。

 

 

※このブログの内容は、個人的に勉強した内容をまとめたものです。添付文書や治療ガイドライン等に基づいてまとめていますが、内容の正確性は保証できません。知識の向上のため、また、内容をより良いものにしていきたいと考えているため、不適切な記載等ございましたら、コメントにてご指摘お願い致します。